給湯設備の中でも高価な設備のエネファーム。家を建てる際、ハウスメーカーに薦められて導入したという人も多いのではないのでしょうか?
家を建てる際に導入した人は、家の価格まとめて支払うので気になりづらいですが給湯設備として考えた場合は非常に高額です。
エネファームの最長寿命は20年なので、導入から20年後には必ず買い替えが発生しますがその時のエネファームはどうなっているか気になり調べてみました。現在、エネファームを検討している方も参考にして頂けたら幸いです。
この記事では
・エネファームの仕組み
・エネファームの国の対応
・エネファームの普及台数や価格について
について紹介しています
エネファームの価格は今後どのように推移していくのか
2009年に商用化されたエネファーム。設置を検討している方や設置した方は、今後のエネファームの価格がどのように推移していくのかは気になるところ。
わが家のエネファームは5年ほど経過しましたが順調に発電中です。いつ故障するかわからない未来の為に気になる動向を調べました。
調べた結果は
・エネファームは今後も発展を続けていく(無くならない)
・今後劇的に価格が安くなる見込みは低い
・投資回収期間を短くするための施策に期待したい
この結果に至った経緯について説明していきます。
エネファームの現状
エネファームの未来を予想する為に現在の状況を確認しました。
エネファームとは?
エネファームは経済産業省の「水素・燃料電池戦略ロードマップ」の目標に含まれており、エネルギー政策の一部を担っています。
政策を担っている理由はエネファームの仕組みにあります。
エネファームの仕組み
エネファームは都市ガス・LPガス(プロパンガス)から取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させて電気を作り、その時の発電する熱でお湯をつくります。
エネファームは燃料電池ユニットと貯湯ユニットの2つで構成されており、それぞれのユニットは下図の役割を果たしています。
エネファームの種類
エネファームには固体高分子形燃料電池(PEFC)と固体酸化物形燃料電池(SOFC)の2つの種類があります。
2種類を簡単に比較するとこんな感じです。
PEFC | SOFC | |
運転温度 | 70℃ 〜 90℃ | 700℃ 〜 1000℃ |
発電効率 | 低 | 高 |
排熱効率 | 高 | 低 |
設置スペース | 広い | 狭い |
ちなみに燃料電池自動車(FCV)にはPEFCが採用されています。
エネファームを国が支援する3つの理由
国が支援する3つの理由は以下の通り
1・環境への配慮(Co2削減・高効率)
2・エネルギー調達の多様化
3・産業競争力の強化
水素を使用する場所で発電を行うエネファームは、
・エネルギーを高効率で使用できる。
・従来のエネルギー(海外化石燃料)供給構造を多様化させる可能性。
・水素発電の技術力の強化
このようなメリットが期待されており、国がエネファームを支援する理由となっています。
エネファームは目標より普及していない
エネファームは国の支援を受けて受けている事はわかりましたが、普及台数はどうなっているのかを確認しました。
2019年時点で普及台数は約35万台。国の「水素・燃料電池戦略ロードマップ」では全世帯の約1割である530万台の普及台数を見込んでいますが、これを見ると目標達成まで遠い道のりですね。
エネファームの価格推移
エネファームの普及台数は目標に対して伸びていないですが、販売価格はどうなっていたのかを調べました。折れ線グラフが価格推移になります。
販売当初の価格はおよそ300万円でしたが、近年では100万円にまで低下しています。
販売価格は年々低下していますが、国の補助金は当初140万円あったのが近年では一桁万円まで減少しています。
エネファーム価格のこれから
ここまでエネファームの現状を確認してきました。これらを踏まえてエネファームの今後を下の3つの項目に分けて予想します。
- エネファームは今後も発展していくのか?
- 補助金はどうなる?
- エネファームの価格は安くなるのか?
エネファームは今後も発展していく
エネファームは10年後も発展していきます。その理由は
①国のロードマップで2030年の販売目標を掲げている
②電気会社の給湯設備に対抗する設備がエネファーム
以上の理由からです。
仮に国の支援から離れたとしても、世間を揺るがすようなエネルギーの技術革新がない限りガス会社はエネファームに力を入れ続けていくと思われます。
エネファームの国の補助金はナシ
すでに2019年で国の補助は終わっていますが、設置業者への補助金はあります。ですが、ガス会社や地域毎の補助がある場合もあります。
国は2030年までに5年で投資回収可能な金額を目指し、2020年に自立化を目指すとあるので国からの補助金が増額される可能性はかなり薄いです。
エネファーム価格の低下は期待薄
国のロードマップでは2020年頃にはPEFC型を80万円にするとありましたが、実現できていません。
補助金もない現在、販売価格を下げるのは企業努力に頼るしかありません。そんな中での80万円以下の販売価格は高いハードルと考えられ、今後のエネファーム価格は期待薄と言わざるを得ません。
いかがでしたか?ここまで私なりの考えをまとめました。エネファームの価格は下がらないかもしれませんが、投資回収期間を高めるために発電量を高めた高機能なエネファームが出てくることに期待したいですね。
・エネファームは今後も国の支援を受けながら発展していく
・普及台数は国の目標に対して苦戦している
・販売価格低下への期待は薄い(PEFC型の80万円が限度か)
・投資回収期間5年に対する施策に期待したい