豚七がよろよろとしていると、向こうから23歳くらいの男がやってきたよ。
額がやたらと大きいなぁと思ったら、わざわざ生え際の毛を抜いているようだ。
ちょっと昔に流行ったけど、最近は中間共ぐらいしかやっていないぞ?そのファッション。(--;
歯磨き袋を刷毛
(はけ)に引っかけ、股引を小脇に抱え込み、所々に口紅のついた手ぬぐいを肩に掛けている。
いかにも眠そうな様子から、どうやら寝起きの状態そのままにやってきたらしいね。
(
▲助(かくすけ)とでも命名しよう)
原文
もう一人、男がやってくる。
あちゃー、こちらも生え際抜き男だよ?
なんだよ、男達の間でブームにでもなっているのかね。
首をまげて、楊枝で歯を磨きながら、だらだらと歩いてくる。
帯と下駄が変に目立つ格好だから、だらしなさに磨きがかかって見えるね。
ま、指で歯を磨く豚七よりましか。(笑)
( ゚д゚)、ペッ
っと唾を吐いた拍子に手持ちの手ぬぐいを落っことしたよ。
(こちらは
●蔵(まるぞう)とでもしようか)
原文
▲助「手ぬぐいが落ちたぜ~。な~にをうかうかとしてやがるんだよ。けっけっけ。」
面倒臭そうに、下駄の歯先でクルッと振り向いて手ぬぐいを拾う●蔵。
後ろを振り向きながら歩くものだから、また先ほどの犬に躓
(つまづ)いた。
犬、災難続出。
犬「キャン!」(いてーよ!)(`Д´#)
●蔵「ちくしょう!気の利かねぇところにいやがるな!」
▲助「お前が利かねぇだけだろぉ?ざまぁみやがれ。」
こんな事をいわれた日にはカチンときたか?
●蔵「うるせえよ。女が使った手ぬぐいだからって、羨むなよ」
と軽くお返し。
原文
この二人も銭湯に入りにきたようだけど・・・まだ開いていない。
●蔵「まだ開いてねーのかよ!朝寝坊なヤツだぜ!人をバカにしてやがる、何時だと思ってるんだ!」ゴルァ━━━(゚Д゚)━━━ !!!!!
豚七と同じだ。(笑)
●蔵「納豆売りが一旦帰っちまって、金時を売りに出直して来る時間だぜ?何してやがる。」
と悪態を付くのも忘れない。
●蔵「どれどれ、お前の手ぬぐいみせろや。口紅なんかつけやがって・・・ヘン!いい恥さらしだぜ!馴染みの女の所から来たんだろう!」
▲助「うるせぇなぁ。悔しかったら持ってみろや。ま、お前とじゃ男前が違うってとこだわなぁ。」
●蔵「そらぁ違うわな。目と鼻なくせば、わさびおろしの面だもんな。魚の面以上にきたねぇ面だしな。」
そうかもしれないけど、そこまで言うかい、●蔵よ。(笑)
原文
▲助「このクソ野郎ぉ!」
と罵りながら為吉を突き飛ばす。
よろめいた先には・・・あーーー!!!お犬様のお宝が。\(^o^)/オワタ
●蔵「うわっ!クソじゃねーかっ!!」
とあわてて避ける・・・セーフ。⊂(^ω^)⊃セフセフ
でも、そのお宝には誰かが践んだ後がある。
あ。(笑)
●蔵「ん?誰か践んだのか?コレ。」
豚七「今、オラが践んだぞ~」
豚七キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
●蔵「豚七かよ。」
豚七「よろけて践んだ~。仕方がね~や。下駄たったらったらったら~♪」
豚七、お宝ついて気が良くなったのか?(笑)
▲助「何言っているんだかわかんねーよ。お前の病気もこまったもんだなぁ。まだ良くならねぇのか?」
豚七「だ大丈夫だぁ~。この通り、だ大丈夫だぁ~」
と言った側からよろけそう・・・っと足に力をこめて、何とか踏ん張る豚七。
・・・ぜんぜん、まったく、この上なく大丈夫そうに見えません、はい。(--;
原文
豚七「この前も本所の叔母さんところが火事だったから、駆けつけて働いたんだ~。思いっきりだぞぉ?そしたら、叔母さん褒めてくれたよ~。」
●蔵「何て褒めてくれたんだ?」
豚七「お前は大丈夫だぞって。だから~、讃岐の金比羅様へお礼参りに行かねばなって」
▲助「堀の内様を信心しろや。まだまだ本調子じゃねーだろ?あぶねぇぞ?」
▲助、意外と優しいあんちゃんだったり?
豚七「堀の内様はお札を頂いただ。ありがだやぁ。意味わかんねーけど、なもほねぎょ~って題目300回も唱えだえな」
なもほねぎょ??(・ω・)
・・・
・・・
あ、南無妙法蓮華経かっ!!Σ(゚Д゚)
▲助「題目300回じゃあ少ねぇわなぁ」
300回じゃぁ足りないんですか、ソウデスカ・・・(つД`)
原文
でも豚七はめげない。
豚七「そそそんなの朝飯前だぁ~。題目は朝飯前じゃねーときかねえってきいた。おらがおっ母、オラをとても可愛がる。浅草の叔父さん、オレが憎いから「坊主になれ」なんて言うだ。」
●蔵「坊主の方が良いんじゃねぇか?叔父さんの言うことに従った方がいいぞ。」
豚七「おっ母が承知しねぇ。おら、いずれは花婿だからなぁ~。たたまんねぇ~。コレだよ、コレ。」
と親子愛を語りつつ、豚七が腰に刀を差す真似をする。
ま・さ・かっ!!!ΣΣ(゚д゚lll)ズガーン!!
▲助「お侍になるのかよっ?!!」
豚七「に二本差しだぁ。たまねんねぇ~!あ足はこの通り、だだ大丈夫だぁ~。」アッヒャッヒャ!ヽ(゚∀゚)ノ
戸板の上の足はまだよろよろしているんだけど・・・
どっからどーみても、やっぱり、ぜんぜん、まったく、この上なく大丈夫に見えねーっす、豚七サン。(つД`)
原文