ナビゲーション リンクのスキップトップ > 大江戸繁盛記 > 独自調査書「物」 > 「浮世風呂意訳(1) 豚七登場」



< 前へ    [一覧]    次へ >

●浮世風呂 武之介意訳1 豚七登場!●

■朝湯の光景■
昔の銭湯は、矢の形をした木製の看板を掛けていたんだそうだ。
なぜ弓矢かというと・・・
「弓射る=湯入る」
と掛けていたかららしい。
古い絵双紙なんかにはよく見かける看板なんだけど・・・今じゃあ都会ではなかなか見ることができないね。
地方の銭湯などではまだ使っているところがあるらしいけどさ。
原文

夜明けカラスがカーカーと鳴き、納豆売りの
「なっと納豆ぉ~」
という呼び声と共に町は目覚める。
朝ご飯の支度の為だろうか・・・家々からは火打ち石の
「カチカチ」
という音も聞こえてくるよ。
とんでも芝居「浮世風呂」の始まり始まり~♪カチカチカチカチチチチチチ・・・
ってな感じで、芝居の拍子木のまねごとみたいなもんさ。
原文

30歳くらいのだらしない男が向こうから歩いてきたよ。
寝間着の細帯で締めているものだから、あちゃー、着物が下にずれ落ちてる。
あ~あ~、裾も引きずっちゃって・・・。
肩にかけた手ぬぐいは真っ茶色。
まるで油で煮詰めたような色をしてるけど・・・どれだけ使えばそんな色になるんだよ!ヽ(`Д´)ノ
オマケに、指に塩つけて歯磨きときたもんだ。
歩く姿もまるで虫が這うみたい。
とにもかくにも、だらしないの一言に尽きる。
そんなかの男は、町内でも有名なよいよい病の豚七だ!
原文

豚「おや~?まだ開かねぇのかぁ?野暮なやつだぁぜぇ~」
と独り言。
どうやら銭湯に入りにきたみたいなんだけど、銭湯の戸は閉まったまま。
残念でした、豚七。
豚「番頭さぁ~ん、番頭さぁ~ん、起きろ~!おぉい起きろ~!!もう尻ケツ火傷するくらい、お日様上がっているんだぁぜぇ~!!」
開店時間前だから帰る・・・なんて考えは豚七には無いみたい。
開いてないなら開けるだけだぜ!!ヽ(`Д´)ノ
戸口に経つやいなや、拍子のはずれたかん高い声で叫ぶ叫ぶ!
豚「起きろ番頭ぉ~・・・おおおお??犬のウ○コ践んだぁぁぁ!!汚ねぇぇ!!!」ヽ(`Д´)ノ
原文

江戸の町は「伊勢屋稲荷に犬の糞」というからねぇ。
至る所にお宝が眠っているというわけ。
そんなお宝を踏みあそばれるとは・・・豚七様は朝っぱらから縁起がよろしいようで。(笑)

で、その落とし主は、のんきに側の道ばたでお休み中。
豚「てめえか!!まったく悪いやつだ!こんちくしょーー!!ペッペッペ!」 (゚Д゚)≡゚д゚)、カァー ペッ!!
犬の方も変なヤツに朝から唾かけられて、どんだ災難。
次からは場所を考えて、お宝を落とすことにしようや。(^o^)
原文


■銭湯の看板■
式亭三馬の代表作「浮世風呂」の意訳・・・
武之介程度の知識・やる気で果たしてどこまでできるか?
かなり不安な要素たっぷりではございますが、私自身の勉強も兼ねて、その面白い浮世風呂の世界を少しでも紹介することができればと嬉しいかぎりです。
(意訳ですので、原文とのずれが生じるところが多々あるかと思いますが、我慢してやってください(^^; )


銭湯の看板
近世風俗志(四)』より
(喜田川守貞著、宇佐見秀機校注、岩波文庫、P102、2001/10/16)

冒頭の「湯屋の看板」については、近世風俗志に詳しい説明が書いてあります。
それによると、右側の弓矢が元々は湯矢の看板だったそうです。
それが左側のような錦旗にかわったようで・・・
(といっても、全部が全部この旗をつかっていたわけではありませんが)

路地の中や新道にある銭湯が、往来の方にこの旗を掲げていたそうです。
銭湯のような大きな店になると、往来にで~んと構えていたものだと思っていたのですが、路地中にあるようなひっそりとした銭湯もあったのかもしれませんね。

ちなみに「銭湯」と言っておりますが、「風呂屋」「湯屋」とも呼ばれていたそうです。
この銭湯のことについても、後々にゆっくりと書いていきたいと思います。



< 前へ    [一覧]    次へ >

■参考文献■

■このページに関してのご意見・ご感想■
掲載内容に関する感想・お問い合わせ等がありましたら、下記フォームよりご投稿下さい。
(「お問い合わせ」からも可能です)
お名前*  
件名
Mail,URL
メッセージ*
 





トップへ